α様は毒甘な恋がしたい



 俺に触れ、一気にはじけるシャボン玉たち。

 うわっ、顔がベトベトするんだけど。

 怒りの限界を超え、俺は怒鳴り声をあげてしまった。


 「シャボン玉は、誰もいない方に吹け!!!」


 今思えば、ほんと大人げなかったと思う。

 突然変わる風の向き。

 小1,小2くらいの子供には、よめるはずがない。

 気象予報士でも無理難題だろう。



 だがその時の俺は、怒りに支配されていて。
 
 人を気遣う心の余裕なんて、みじんもなくて。


 もういい!

 親や村人を恐怖地獄に陥れるなんて、どうでもいい!

 今すぐ破壊してやる!

 地球という星をまるごと!




 空に伸びる枯れ木に手をつき、目を閉じギュッ。

 力を込めた手のひらを、地面に向かって突き出したものの……

 「ごっ、ごめんなさい!」

 胸まで伸びた黒髪を揺らしながら女の子が駆けてきて

 「私の不注意で……」

 必死に謝られ、俺の腕がだらんと脱力状態に。

 地球吹っ飛ばし計画が、邪魔されてしまった。