α様は毒甘な恋がしたい



 俺の心臓が、ドドドドドと駆けているのがわかる。

 美心の手首を掴んでいるせいなんだけど。

 異常な速さでビートを刻む彼女の脈に、惑わされてしまい……

「孝里って、よくわからないことをさせるよね。はちゃめちゃに見えて、他人のことを気づかえる優しい子なんだ。許してもらえるかな?」

 アハハなんて、お兄さん笑顔を振りまく自分が気持ち悪くてたまらない。



 でもなんで、孝里は美心をこの公園に呼んだのだろう?

 おかしな行動をとったのは、孝里だけじゃない。

 聖女系男子の(いのり)もだ。

 この公園に着いたとたん、俺を車から追い出して。



 二人の意図は?

 まさか俺の片思いの相手が、七星美心だとバレた?

 『初恋を拗らせすぎはカッコ悪いから、ササっと告白でもしろ』

 と、俺の背中を押してくれている?


 いやいや、そんなはずないよね?

 俺が美心を好きだということは、完ぺきに隠している自負があるし。