α様は毒甘な恋がしたい



 俺は美心に関わってはダメだ。

 そのことを、俺はちゃんとわかっている。

 先ほど、覚悟も決めた。

 罪ほろぼしとして、もう二度と美心に話しかけないと。


 わかっているんだ。

 美心の幸せを最優先にするべきだって。

 頭では理解しているはずなのに……


 大好きなぬくもり、手放したくはない。





 膨れ上がってしまった好きの感情は、手に負えないほどに狂い暴れてしまうものらしい。


 俺は、顔を晒すようにフードを首もとに降ろし

 かけていた眼鏡を、胸ポケットに突っ込んだ。


「俺が八神戒璃だよ。ごめんね。まさか人気のない公園で、同じ学園の生徒に話しかけられるとは思わなくて」


 作り笑いを顔に貼りつけながら、優秀な生徒会長ぶるので精一杯。