α様は毒甘な恋がしたい


 席に座ったままの私の前に立つ、(いのり)さんと孝里(こうり)くん。

 怖いくらい口角を上げ、行きすぎた笑顔で私を見つめてくる。

 なんか嫌な予感が……


「七星美心さん、あなたをスカウトに来ました」


 ……ん?

 祈さん、今なんて?


「週明けの月曜日の放課後にね、この学園の講堂で89盗(はくとう)ライブをするんだぁ」


 孝里君の予想外すぎる生告白。


「えっ? 89盗の生ライブ?」


 と、教室にいる生徒も廊下にいる生徒も、騒ぎ出しちゃったけれど。

 天国に召されないか心配になるくらいのハイテンションで、キャーキャー飛び跳ねだしちゃったけれど。

 私だけが硬直状態に。

 スカウトに来たという言葉が、どうしても引っかかっていて。

 次に何を言われるんだろう……

 爆発寸前のドキドキ時限爆弾を抱えながら、二人をチラ見してしまう。