α様は毒甘な恋がしたい



 同じ人間なのに。

 生まれ持った第二の性が『オメガ』ってだけなのに。

 なんでオメガは、犯罪者のように虐げられてしまうのだろう。


 記憶がなくなる前の私は、オメガと接したことがあったのかな?

 オメガは絶滅危惧種。

 一生のうちにオメガと出会わない人もいるくらい、少ないとは聞いているけれど。


 もし過去の私がオメガと出会っていたのなら、笑顔で接したのかな?

 見下すこともなく、第二の性なんて気にせず、同じ人間として話したのかな?



 人と関わった記憶がないということは、過去の自分がわからないということ。

 誰に何をしたのか。

 誰を傷つけてしまったのか。

 全くわからない怖さがある。



 過去の私は、オメガを気遣って行動ができる人間だったらいいな。



 私一人が動いたところで、世界が変わるとは思えない。

 でも――

 誰かが一歩踏み出さなければ、世界の未来は変わらないんだから!

 そのために私ができることは……