α様は毒甘な恋がしたい


 みんな、悪気があったわけじゃない。

 私に親がいないことを知らなかったわけだし。

 私と仲良くなろうと、質問してくれただけ。

 責任をもって、みんなの顔に笑顔を戻さなきゃ!

 私は顔に笑顔を注入して、ニコニコで声を跳ねさせる。


「みんな気にしないでね。親がいない子供なんて、世界中に数えきれないほどいるでしょ?」

「……でもね」

「……ああ」



 あらら。

 みんなの表情が、よけいに陰っちゃった。

 誠心誠意、浄化、浄化!

「お父さんとお母さんが天国にいてくれたから、意識不明の私が目覚めることができたと思うんだ」

「美心ちゃん、どういうこと?」

「まだ高2で死の世界に来るには早すぎだからって、両親に帰されたんだと思う。早く帰って勉強しなさいって、天国で怒られちゃったかな私。うん、勉強頑張ろう! 今も天国から、両親に監視されてるかもしれないしね。アハハハハ……」