α様は毒甘な恋がしたい

 知ってるよ。

 僕が寝てからも、一人で頑張っていること。

 生徒会長の仕事とか、89盗ライブの衣装決めとか。



孝里(こうり)、安心して。最低限の睡眠は、ちゃんととっているから」

「睡眠が足りてるなら、新曲が煮詰まってるとか? 89盗の曲は、戒ちゃんが作んなくてもいいじゃん。外部の作曲家さんに金積んで、曲提供してもらえば」

「新曲も問題ない。ほぼ出来あがってる」

「じゃあなんでさっき、悪魔に乗っ取られながらギターかき鳴らしてたわけ。僕の存在を忘れてさ」

「……」



 あっ、戒ちゃんが黙った。

 首にかけてあるギターの弦を、気まずそうな顔でさすりながら。

 だんまりなんか、僕は見逃してあげないんだからね!



「僕が戒ちゃんより年下で、プリンセスチックなおさな顔で、いのりんみたいに頼りがいがないから、相談する価値ないとか思ってるんでしょ?」

「えっ?」

「あー酷い。僕泣いちゃう!」

「ちっ、違うから」

「じゃあなに?」

「……」