α様は毒甘な恋がしたい



 うわぁぁぁぁ。

 制服も腰まで伸びた髪も、ありえないほどビショビショだよ。



 池の深さは十数センチほど。

 ものすごく浅いから、池の中で寝ころんでいても息ができているけど。

 顔がつかりきるくらい深い池だったら、水を飲みこんでいたかも。



 背中から池に落ちたのに痛みが全くないのは、この金髪くんが私を守ってくれたからだよね?

 私の顔は未だ彼の胸に押し付けられているから、視覚に頼ることができなくて。



 あれ? 彼が全く動かないよ。

 私を抱きしめたまま、池の底に寝そべるように固まってるし……



「あの……大丈夫ですか?」



 私を抱きしめる腕に力を入れてくれたから、生きている確認は取れたけど……って。



 ひゃっ、ひゃっ、ひゃひゃっ!

 彼の安否確認なんてしている場合じゃなかった。

 危険なのは私自信では?



 ななな、なんですが……この状況は!!

 池に寝転がったまま、見知らぬ男の子に抱きしめられてるんですけど!


 間違いなくのゼロ距離だよ。

 恋人同士でしかありえないシチュだよ!