「フッ、おひとよしすぎだろ?」
ん? あれ?
「オマエ、妄想以上なんだけど」
なんかおかしい。
私いま、彼に抱きしめられてない?
力強い腕が、私の背中に絡みついてるし。
もう一方の手は、私のおでこにピタ。
私の頭を守るかのようにホールドされていて。
私の顔が男らしい胸板にうずめられたまま、体が後ろに傾いていく。
まるで池に吸い寄せられるように。
私の耳元でささやかれた声、なんかヤバすぎだった。
めちゃくちゃに甘いというか、ワイルドすぎというか。
でも、『おひとよし』ってなに?
『妄想以上』ってどういうこと?
彼の放った言葉の意味を、十分に考える余裕があるはずもなく……
バシャン!
私は抱きしめられたまま、噴水池の中に倒れこんでしまったんです。



