α様は毒甘な恋がしたい


「違うんです!」


 痛みにこらえながら引きずる足。

 なんとか前に進め、雷斗さんの腕を掴む。

 戒璃くんから遠ざけたくて、風弥さんと雷斗さんを部屋の壁までひっぱってきた。


「雷斗さん風弥さん、私の話を聞いてください!」

「止めるな、美心! 俺様は今、八神戒璃の腹に一発ねじ込まないと気が済まなくてだな」


 雷斗さんはまだ、殴りに行く気満々だし。


「これは私のせいで……戒璃くんはただの被害者で……」

「腕を離してください、美心。首を噛んでおきながら、あなたを捨てた男ですよ。美心のことすら覚えていないんですよ。どうしてかばうのですか?」

「それは……私がオメガだからで……」