α様は毒甘な恋がしたい



「こんなに目を真っ赤にして。たくさん泣いたのですね。ほほに涙の跡が残っています」


 大泣きしたこともバレてる。

 恥ずかしい……


「この状況から推測するに、八神戒璃が美心に花瓶を投げつけたんですね!」

「えっ?」

「許せません! 美心の仇は私が……」



 マズいマズい。

 怒気をまとった風弥さんが、腕まくりをしながら立ち上がっちゃった。

 私は腰を上げ、太ももに走る痛みをこらえながら風弥さんの腕にしがみつく。



「違うんです! 戒璃くんは何も悪くなくて!」

「信じられません」

「私が勝手に花瓶にぶつかって。尖った破片の上に倒れこんじゃったから、血がでちゃっただけで……」

「そう言えと、八神戒璃に脅されているのですね」


 勘違いにもほどがあるよ。