α様は毒甘な恋がしたい



 ひぃえぇぇぇ!

 二人とも、部屋の中央に立つ戒璃くんを睨みつけているよ。

 彼らの背中に、怒りの炎が燃えたぎっているような……



 目を吊り上げた雷斗さんが、戒璃くんの方に向かって歩き出した。

 エレベーターの時みたいに、喧嘩が勃発しちゃうのでは?

 止めに入らなきゃ!と、立ち上がろとしたけれど……


「美心、大丈夫ですか?」


 駆けてきた風弥さんが、私の前にしゃがみこみ


「何があったんですか? 水浸しなうえに、血だらけじゃないですか」


 私の両肩を掴んできたから


「えっと……これは……」


 どう伝えれば、戒璃くんのせいじゃないってわかってもらえるかな?


 風弥さんの怒りを鎮める方法を一生懸命考えているせいで、言葉が出てこない。