α様は毒甘な恋がしたい



 ……辛いんだから。

 ……毎日、毎日、失恋の悲しみに耐えるのが苦痛なんだから。

 ……大好きすぎて、もう限界なんっだってば。

 ……これ以上、私の恋心を惑わさないで。

 ……お願い……します。





 今も体中に走る激痛。

 心の痛みなのか、傷跡のうずきなのかわからない。



 木の救急箱を抱え、不安そうに顔を歪めながら私の方に走ってくる戒璃くんが目に入り

 ――戒璃くんの優しさを、これ以上受け取りたくないの!


「お願い、来ないで!」


 戒璃くんの足を止めるくらい強く、私は涙声を張り上げた。


「キラキラなシャボン玉に詰め込んだ戒璃くんとの思い出、泥だらけにしないで!」