α様は毒甘な恋がしたい

 

 グスグスっ。

 鼻をすすってしまうのは、悲しみの限界値を超えたサイン。



 人が多い駅前広場だし、涙がこぼれるのは阻止したいな。

 うぐっと込み上げる黒い感情を踏み潰したくて、歩き出そうとしたのに……


「うわぁぁぁ! 勢い止まんねぇ!」


 なぜか前方から、こっちに向かって走ってくる制服男子がいるんです。

 猛スピードで。

 なんかすごく焦りながら。

 ビックリしすぎて、足だけじゃなく私の全身が固まってしまいました。



 こっちに走ってくる人の特徴だけど。

 ひとことで言えば……不審者?!


 あっ反省。

 ちょっと悪く言い過ぎたか。


 ワル臭ギラギラなヤンキーっぽい。


 今の説明で、雰囲気くらいは伝わったかな?