α様は毒甘な恋がしたい


 ソファに寝そべる私の真上から、美顔が迫ってきた。

 ――こんなの、私の大好きな戒璃くんじゃない!

 あわてて私は顔を横に逃がす。



「戒璃くん、やめて!」


 体をよじりながら叫んでも


「離れて、戒璃くん、お願いだから!」


 足をばたつかせても、私の声なんて彼は聞き入れてはくれなくて。

 目を吊り上げ歯を食いしばり、逃がさんとばかりに私の両手に指を絡めてくる。



 獲物を狙うような鋭い眼光。
 
 焦げそうなほどの熱量で、真上から私に突き刺してくるのに……

 彼は私を『七星美心』と認識していない。

 それが悲しくてたまらない。



 『目の前にいるオメガを、自分だけのものにしたい!』


 願望荒ぶる吐息をもらした彼が、私の首筋に唇を押し当ててきた。


「かっ、戒璃くん……っ……」


 もがくように体を左右に揺らしても。

 筋力の差がありすぎるせい。

 私は逃げ出すことが不可能なんだ。