α様は毒甘な恋がしたい



 2年半前。

 私の首を噛んだ戒璃くん。


 『俺の愛はすべて、美心だけに注ぐと約束するよ』


 永遠の愛をささげる約束をしてくれたけれど……

 あの時も、ラット状態だったんだろうな。


 私を襲うような猛獣化はしていないから、【プチラット状態】がしっくりか。

 私のオメガフェロモンに惑わされ、私を好きだと勘違いしたことは間違いない。


 冷静になった帰りぎわ

『美心と番にはなれない』

 ごめんと謝って逃げたのが、その証拠なんだろう。




「黒くてサラサラで綺麗なこの髪に、顔をうずめられたでしょ? あの双子たちに」

「ひゃっ!」



 過去に彷徨ってて、今気づいたけど……


 私、片腕で抱きしめられてる!

 頭を撫でられてる!


 戒璃くんの胸元に押し当てられた私ほっぺは、絶対に真っ赤に染まっているよ。

 大好きな人に包まれているんだもん。

 火照らない方が無理だよね?