α様は毒甘な恋がしたい


 ままま、待って!

 横に座ったまま、私の肩を挟むようにソファの背に両手をつかないで。



 彼の顔が目の前に迫ってきた。

 逃げるように上半身をそらしてはみたものの

 ……うっ、逃げ場なし。

 私の背中はソファにべったり。

 これ以上、戒璃くんと距離を取ることはできないんだ。



 恐る恐る顔をあげ、視線を彼のサラサラな紫髪から下に向かってずらしていく。


 あれ?

 戒璃くんの目が、いつのまにか灰色に濁っているような……


 きっ、気のせいじゃないよね?

 呼吸が荒くなっているような……


 かっ、勘違いじゃないよね?

 戒璃くんから放たれているアルファフェロモンが、『甘い匂い』から『オスっぽいワイルドな香り』に変わったように思えちゃうけど……