α様は毒甘な恋がしたい



 なんて考えてみたけれど、どっちも違いました。

 オメガだからとか全く関係ないことを、ベータ女子2人が証明してくれました。



 というのも私より隣の女子2人の方が、戒璃くの毒に侵されてしまったらしく

「立ってるのムリ……」

「戒璃様、尊すぎなんだってば……」

 後ろにある噴水のふちに手をつきながら、地面に崩れこんじゃったんです。



 どうやら戒璃くんの魅力は、ベータも完全骨抜きにできるみたい。

 あいかわらず戒璃くんは、民全員を愛そうとする王子様だな。

 彼の愛が私一人に向けられたものだったら、どんなによかったことか……


 って。

 はぁぁぁぁぁ、もう。


 だから美心、前に誓ったでしょ!

 自分を捨てた相手のことは、脳内の記憶部屋から完全に追い出すって!



 ほんどダメダメ。

 忘れなきゃと思えば思うほど、彼の蜜甘スマイルが私の脳内スクリーンに映し出されちゃう。