ずっと心の奥で願っていたんだよ。

 いつか戒璃くんに会えたらいいなって。

 ファンに振りまく王子様スマイルを、私だけにプレゼントしてほしいなって。



 でも現実って、残酷なんだね。

 妄想と現実の落差が激しいと、ハートがトラックにひかれたように痛みだしちゃうんだね。



 初恋の人との再会なんて、良いものじゃなかった。
 


 テレビの前でペンライトを振る、ファンと推しの関係になりたい。

 今日学校が終わったら、雷斗さんと風弥さんに頼みこもう。



 一刻も早く、私の脳内から戒璃くんを追い出してください!

 戒璃くんと繋がっている「番」という残酷な鎖を、粉々に叩き割ってください!

 二度と私の中で、戒璃くんへの恋心が生まれないように……