α様は毒甘な恋がしたい




「でもさ、戒璃様は女好きで良くない?」

「なんで? 男は一途がいいじゃん!」

「それは付き合う彼氏の場合でしょ」

「へ?」


「戒璃様は偶像なの。手を合わせて崇め称えるご神仏なの」

「わかるけど……」

「いっそのこと戒璃様には、世界中の美女を惚れさせて、はべらせるくらいして欲しいわ」


「彼氏だったら、クズの極みじゃん」

「日本を代表する極甘王子様は、万人に愛を与えるカリスマでないと箔がつかないの!」

「う~ん、まぁそうか。そこが戒璃様の魅力か」


「あっ、曲が終わった」

「来るぞ、来るぞ~!」

「シーだからね。一言もしゃべっちゃダメだからね!」

「わかってる!」



 あんなにはしゃいでいたJK二人が、急に口を結んだ。

 私も、戒璃君の決め台詞を聞き逃したくなくない!

 スクリーンを見つめ、耳の神経を張りつめる。