α様は毒甘な恋がしたい



 足からほどけていく恐怖の呪縛。

 私はためらうことなく、一歩目を踏み出した。

 続けて二歩、三歩と。

 使命感が宿った四歩目の足で、エレベータの床を踏みしめるところだったのに……


 「ねぇ? 双子アイドルの恋人って本当?」


 凍りつきそうなほど冷たい声をこぼした戒璃くんに、肩を掴まれ


 「同じエレベーターに乗っていたってことは、一緒に住んでるの?」


 怒りが燃えたぎる鋭い視線を、真上から突き刺されてしまい


 ……えっと

 ……この人、こここ、、、怖っ!!


 混乱で何も考えられなくなった私の足はピタッ。

 到達しようとしていたエレベーターの床には、着地できませんでした。