「うっ……くっそー、マジで腹痛てーし」
「雷斗、強烈な足刀をくらっていましたが、大丈夫ですか? 内臓…破裂していませんか? ……うっ」
「俺様の心配してんじゃねー! 風弥だってお腹蹴られて、エレベーターの壁に叩きつけられて、起き上がれないくせに!」
エレベーターの中にこだました、辛そうな2種類の声。
途切れ途切れの弱声で、会話内容までは聞き取れなかったけれど。
ハッと現実に戻るには十分な刺激で、私は慌てて戒璃くんの腕の中から抜け出した。
そしてゆっくりゆっくり、エレベーターの中に視線をずらしてみる。
「……えっ?」
なぜ雷斗さんと風弥さんが、エレベーターの中で倒れているの?
予想外の光景が瞳に映り、ギュッと固まる私の全身。
目がこれでもかってほど開いてしまった私は、驚きと恐怖で足が動かない。



