α様は毒甘な恋がしたい



 私の腰に男らしい片腕が巻き付いた状態で、勢いよくはぎ取られた雷斗さんのブレザー。

 宙を舞うブレザーを目で追いかけていたはずなのに。


 あっ……絡まっちゃった……


 いつのまにか私の瞳も心も、大好きな人に独占されていた。



 視線がほどけない。

 彼の瞳の熱に、捕らわれているから。



 視線をほどきたくない。

 瞬きすらしたくない。

 夢から覚めてしまうのが怖いから。




 大好きな瞳に見つめられ続け、私の心臓が不器用に荒ぶる。



 うまく息が吸えず、呼吸が乱れてしまうのは

 嬉しくて、しんどくて、幸せで

 逃げたくて、苦しくて、現実だと思えなくて

 いろんな感情が絡まって、私のハートを惑わせてくるせいだろう。



 なぜ私を抱きしめながら、せつなそうに瞳を揺らしているの?

 2年半前に一度だけ会った私のことなんて、忘れているんじゃないの?



 教えてよ。

 どんな気持ちで私を見つめているのか。

 あなたの心の中を、私にさらけだしてよ。



 お願いだよ……

 戒璃くん!!