α様は毒甘な恋がしたい


 「この子は私と雷斗の最愛なる人です。ねー雷斗!」

 「ああ、カザミの言うとおりだ。俺様達がすっげー可愛がってる癒し姫」

 「キミたち双子の恋人?」

 「ええ」

 「本当に?」

 「なんで俺様達が、会長に嘘つかなきゃいけねーんだよ!」

 「顔を見せて」

 「こいつの可愛い顔、他の男に見せたくねーんだけど」

 「私たちが誰を愛でようが、誰に海よりも深い愛情を注ごうが、この学園の生徒会長様には関係のないことかと。雷斗、エレベーターを降りますよ」

 「おう! 行くぞ、虹子(にじこ)


 にっ……にじこって……

 あっ、私の偽名か。

 了解しました。


 ここは虹子のふりをして……

 ブレザーで顔が覆われているまま、腕の引っ張りにつられるようにエレベーターを降りて……



 なんて、この状況をスルー出来ないよ!!

 待って、私は知ってるの。

 雷斗さんでも風弥さんでもない男性の、凛とした低音ボイスを。