α様は毒甘な恋がしたい



 ひゃっ!

 急に視界が遮られちゃったけど。

 私の頭を覆うように、雷斗さんのブレザーをかぶせられちゃったけど。

 ……なぜ?



 「美心、そのまま聞いてください。ドアが開いたら、私たち3人でエレベーターの外に出ます」

 「ぜってー俺様のブレザーで顔を隠してろよ! 外見んじゃねーぞ!」

 「でっでも、これじゃ前が一切見えなくて……」


 歩ける気がしなくて……


 「大丈夫だ。俺様と風弥でオマエの腕を引っ張ってやるから」

 「私たちがいいと言うまでは、ブレザーから顔を出さないように。何があってもです。絶対にです。いいですね」

 「美心、返事!!」


 ブレザーの薄暗闇の中、雷斗さんの力強い声が飛んできて


 「はっ、はい!」


 わけもわからず、私は優等生並みの凛声を吐き出しちゃった。