α様は毒甘な恋がしたい



 私の前で立膝をつく二人。

 心配そうに私の顔を覗きこんでくる。

 から元気でもいいから、声を弾ませなきゃ。


 「守ってくれたおかげでケガをしませんでした。ありがとうございます。お二人は大丈夫でしたか?」

 「あっ……はい……」

 「……まぁ、今んとこはだけど」


 なんとも歯切れの悪い返事。
 
 ステージで堂々と歌う、大人気アイドルとは思えない自信のなさ。



 今のって、エレベーターの故障ですよね??

 遊園地の落下アトラクションよりもスリリングでしたよ、アハハ。


 なんて笑いを起こしたかったけれど、私は空気を読んで、言葉を飲みんだ。

 冗談が似合わない緊張感が、エレベーターの中に充満しているから。