α様は毒甘な恋がしたい



 目を閉じさせようと、雷斗さんの乱暴な手が私のまぶたに沈む。



 真っ暗な視界の中


 「……ごめんな」


 「えっ?」


 「こんな手荒な真似しかできなくて」


 せつなそうに震える雷斗さんの声が、耳に届いたんだもん。



 彼の声に、悲しみが溶けているような気がして

 雷斗さんが傷ついているような気がして


 「……痛く……しないでください」


 後悔しそうで怖がっている心臓に手をあて、私は覚悟の声をもらした。




 まだ私の視界は、熱を帯びた雷斗さんの掌でふさがれている。



 どんな状況か、瞳で確認することは不可能だけど。

 多分今、私の左右に風弥さんと雷斗さんが立っていて。

 私の耳上に、額をくっつけているんじゃないかな?

 体が揺れるたび、彼らの鼻がしらが私の髪をくすぐってくる。



 2人の呼吸の荒さがわかってしまうのは、私の両耳が甘い吐息に包まれているから。