α様は毒甘な恋がしたい

 腰まで伸びるストレート髪が揺れるほど首を縦に振り、私はこぶしを握りしめた。


 推しのため!

 その合言葉を脳内でリフレインさせていれば、だいだいのことは乗り越えられる。

 2年半の間で私が身に着けた護心術。

 それをエレベーター内で実践してはみたものの……


 「八神戒璃との関係が切れたら、私たちのどちらと番うか決めてくださいね」


 風弥さんがメガネの奥の瞳を光らせながら、行きすぎなほどの笑みでニヤつくんだもん。

 推しのため!なんて脳内リフレイン護心術、やっている場合じゃなかった!

 後悔が押し寄せてきて、背筋が震え出してしまいました。


 
 今、とんでもないことを言われたような……

 次に番う相手を決めてとか、なんとか……