α様は毒甘な恋がしたい


 「はっ、話していないのですか?!」

 「意味なくね? どうせ忘れるんだし」

 「そういうわけにはいきません!」

 「時間ねえじゃん。ちゃちゃっとやって、教室に行かんとさー」

 「番解消の掟は守るべきです!」

 「ったく、わかったよ。説明めんどいから、カザミ頼むわ」

 「承知しました」



 わざわざ私の真ん前に移動した風弥さん。

 真剣な視線を、これでもかというほど私の瞳に突き刺してくるけど……


 「美心」


 凛とした低い声。

 極度の緊張に襲われた私は、無理やりつばを喉の奥に押し込む。


 「あの……私に話さなければいけないこととは?」

 「よく聞いてください」

 「……はい」



 「番関係が解消された時点で、八神戒璃のことは美心の記憶から抹消されます」



 ……えっ?