α様は毒甘な恋がしたい



 雷斗さん口からもれた、心配げに曇った声。

 驚き顔で振り返ってしまった私の手は、ボタンから離れダラんと垂れさがっている。


 「私が……辛いというのは?」


 「八神戒璃と(つがい)関係でいること」


 あっ、そのことか。

 
 「……はい」


 つらいです。



 戒璃くんのことは忘れたい。

 でも……

 彼と過ごした幸せな時間は、宝物のように一生愛でていたい気持ちもあって。



 女遊びが激しい彼を大嫌いになりたい。

 それなのに……

 世界中で私が一番、彼のことを大好きでいたいとも思ってしまい。