α様は毒甘な恋がしたい


 「オマエさ、オメガなのに全くフェロモンの匂いしないのな」


 雷斗さん。

 壁に片手をついたまま、私の後頭部に鼻をこすりつけないで。


 「フェロモンを抑制する薬を飲んでいますし。私には一応、(つがい)がいますから……」


 だからオメガの私が放つフェロモンは、番のアルファ以外には感じ取れないはず。

 病院の医師の見解だから、間違いないかと。


 「どれだけ姫を愛でたところで、私たちが放つアルファのフェロモンに惑わされないなんて。アイドルとしてもまだまだと言われているみたいで、泣きたくなりますね」


 腰まで伸びる私の髪を、手ですくった風弥さん。

 長いまつげで神秘的な瞳を隠すように目をつぶり、私の髪にキスを落としている。



 そしてすくった髪の束に唇を当てたたま、後頭部まで唇をずらしていき。

 眉を隠す私の前髪を長い指で横に流すと

 「甘さ、確かめさせてくださいね」

 私の額に唇をうずめてきた。