α様は毒甘な恋がしたい



 「俺様が美心に嫌われる? フンっ、無意味なご忠告どーも」

 「こちらこそ。納得いかない顔での感謝のお言葉、お兄様へのプレゼントだとプラスに受け取っておきます」
 
 「性格ワルっ」

 「お互い様です」

 「俺様の経験からいうとだな、美心みたいな奥手女には即効性の毒が効くんだよ!」


  ん? 即効性の毒とは?


 「無理やりでもなんでも俺様の毒沼にズブる快感を覚えれば、強引な男じゃないと物足りなくなるくなる。美心はそういう女。絶対にな」


 さも私を知り尽くしてるように、雷斗さんは仁王立ちで言い切ってますけど……


 毒沼にズブる?

 なんですかその、猛毒ワードは。

 おぞましい言葉が私の鼓膜を揺らすだけで、身の危険を感じてしまいます。



 今すぐ、二人の前から消えなきゃ!

 ……と、こぶしを握り締めたところで、ここは狭い密室。

 地下から1階に行く途中で止まっている、エレベーターの中。

 エレベーターが動き出さない限り、逃げ場なんかどこにもないのが困りもの。