α様は毒甘な恋がしたい

 細身だけど男らしい二人の背中。

 置いていかれないよう足早で追いかけ、私もエレベーターの中に。

 狭いとはいえ、10人乗りと書かれたエレベーター。

 たった3人乗るだけだから、雷斗さん達との適度な距離を保つことができて安心だ。



 「ほー」っと、私が安どのため息をついた直後だったのに


 「さーこれで、狭い密室空間の完成ですね」


 ゆるフワな紺色髪を耳にかけた風弥さんは、唇の下にこぶしを当て嬉しそうに微笑んでいる。


 「最高ずぎて、顔が緩むわな。誰にも邪魔されず、俺様たち二人で美心を溺愛できるっつーんだから」


 ひゃっ! なんか怖い!


 雷斗さんのいじわるっぽい瞳に見つめられた私は、のっそりのっそり。

 2匹のオオカミに狙われた逃げ場のないウサギって、こんな心境なのかも。

 体をブルブル震わせながら、エレベーター奥の壁に背中がつくまで後ずさり。