☆美心side☆



「俺以外、美心(みこ)の恋の瞳にうつさないで」


 あの時の私は、α(アルファ)のフェロモンにあてられていたんだと思う。



「美心の人生を俺に捧げてよ」


 彼の声が甘すぎて


「ねっ、いいでしょ?」


 私を見つめる瞳の熱があつすぎて


「……私で……よければ」


 初めて会った相手なのに、Ω(オメガ)特有のデリケートな急所を差し出してしまったんだ。




「うっ……」

「痛かったよね? ごめん」

「ううん、全然平気だよ」

「ちゃんと美心の首に噛みあとがついたし、これで俺たちは(つがい)だ」

「……つがい」

「俺の愛はすべて、美心だけに注ぐと約束するよ。どう、嬉しい?」

「うん、とっても」