「依茉!」
それからしばらくして約束の時刻になり、わたしはバイトを終えた慧くんとカフェの前で合流する。
「ごめん、待った?」
「ううん。バイトお疲れ様」
「ていうか、依茉。その格好、本当に可愛い」
夏らしいスカイブルーのワンピースに、同系色のローヒールを履いたわたしを見て、慧くんが微笑む。
「ありがとう」
慧くんにストレートに可愛いって言ってもらえると、照れる。
「それじゃあ、行こうか」
差し出された慧くんの手に自分のものを重ねると、二人で駅へと向かって歩き始める。
「雨、やんで良かったな」
「ほんと」
慧くんのバイト先のカフェに来るときに降っていた雨は上がり、空には久しぶりに綺麗な青色が広がっていた。
それからしばらく電車に揺られ、到着したのは水族館。
「わあ! 魚がたくさんいるー!」
「水族館なんだから、当たり前だろ?」
小学校以来の水族館ということもあり、子どもみたいにはしゃぐわたしを見て慧くんが苦笑する。
大きな水槽の中には、イワシの大群や色とりどりの熱帯魚が泳いでいて、とても美しい。



