「全教科98点以上で、俺は今回成績が学年首位になることができました」
そう言って俺が父に手渡した、期末テストの成績表には『学年順位 : 1位』と記載されている。
「慧、お前1位をとったのか。高校に進学してからは初めてじゃないか!?」
「慧さん、よくやったわ」
両親の声音が、珍しく普段よりも高くなるのが分かった。
俺が定期テストで学年首位になるのは、高校生になってからだと去年の一学期の中間テスト以来、正確には二度目だけれど。
父さんに初めてだと言われるくらい、久しぶりってことだな。
「慧、お前もやればできるじゃないか」
「俺が今回頑張ることができたのは、依茉のお陰なんだ」
「依茉って。またそのお嬢さんの話か。彼女とは、別れなさいと言ってるだろう」
顔をしかめた父が、ソファから立ち上がろうとする。
「待って、父さん。俺の話を聞いて欲しい……!」
俺は、父に向かって思わず叫ぶ。



