イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない



 こうして、期末テストまでの日々は過ぎていき……。


 7月上旬。期末テストが終了し、返却されたテストの答案用紙を持って、俺は学校終わりに久しぶりに実家へとやって来た。


 雨上がりの空の下で俺は一度深呼吸すると、実家の大きな門をくぐった。


「ただいま」

「慧さん、おかえりなさい」


 俺がドアを開けると、さっそく母が玄関で出迎えてくれた。


「今日は、お父さんも待ってるわ」

「はい」


 社長で多忙を極める父と顔を合わせるのは、依茉と参加したパーティーのあの日以来だ。


「失礼します」

「久しぶりだな、慧」


 相変わらずニコリともしない父を前に、少し緊張しながら俺は、父の向かいのソファに腰をおろす。


「それで、慧。期末テストはどうだったんだ?」


 父に言われ、俺はさっそく期末テストの答案用紙をテーブルに並べる。