慧くんは、わたしのことを好きでいてくれて。
わたしも、そんな慧くんのことが好き。
だけど、慧くんのご両親はわたしたちの交際を反対している。
だったら……答えはひとつ。
慧くんのご両親に、わたしのことを認めてもらうしかない。
わたしは強い眼差しで前を見据えると、夕飯作りを再開させる。
高い壁を乗り越えるのに、何年かかるかは分からないし、そもそも一生ご両親に認めてもらえない可能性だってある。
だけど……相手を恐れて何もしないまま、今ここで諦めるなんてことだけはしたくない。
何よりもわたしには、慧くんという一番の味方がいるから。
頑張るだけ、頑張ってみよう。



