家のパーティーに、依茉を? ありえない。
「そんなの、嫌だよ」
あんな父の仕事関係者ばかりの堅苦しい場に依茉を連れて行って、嫌な思いはさせたくない。
「あら、どうして? 来週末なら、慧さんの学校の定期テストも終わってるし。問題ないでしょう?」
「そうだけど……」
「だったらそのときに、私とお父さんにぜひとも彼女を紹介してちょうだい。お母さん、慧さんの彼女にお会いしたいわぁ」
作った笑顔なんか貼り付けて、随分とわざとらしい言い方だな。
「慧さんにふさわしい方かどうか、見極めてあげるから」
「……っ」
見極めるって……。
あのときだってそうだった。



