「……っ、けい……くん」

「うん。もっと呼んで、依茉」

「慧くんっ」


 嬉しそうな笑みを向けられたかと思えば、再び慧くんに口づけられる。


「一堂せんぱーい。テレビ観てもいいですかー?」

「……っ。あっ、ああ。いいよーっ」


 隣の部屋から杏奈の声がし、少し焦った様子で慧くんが返事をする。


 まずい。すぐそばにみんながいるから、いい加減やめなくちゃ。


 杏奈の声で我に返ったわたしが彼から離れようとすると、頭の後ろをぐっと引き寄せられる。


 離さないとばかりに唇が重なり、彼の熱が潜り込んできた。


 深く絡まっては擦り合わされ、甘い痺れが広がっていく。


「……っふ」

「ん……」


 吐息まで奪うようなキスに、頭の中も溶けそうになってくる。