「あんなバッサリ振るなんて、最高。あいつ、逆に潔くて良いな!」

「なっ、何なんですか!? こっちは振られて傷ついてるっていうのに。それを見て笑うだなんて……。ちょっとは、相手の気持ちを考えたらどうなんですか!?」

「ああ、ごめん。俺、今まで振られたことないから分かんないや」


 振られたことがないって、何それ。


 彼の言葉にムッとしながらも、目元の涙を指で拭い、クリアになった目で男の子の顔をもう一度よく見てみると。


「えっ、うそ。かっこいい」


 そう思わず声に出してしまうくらい、彼は目鼻立ちの整った超イケメンで。

 ふわっとしたハチミツ色の髪に、両耳にはピアスをしているが、甘い顔立ちをしているからか不良っぽくは見えない。


「でもキミ、普通に可愛いのに。振るなんて、あいつもバカだね。俺だったら、絶対に放っておかないのに……ねぇ、良かったらあいつの代わりに俺と付き合わない?」


 え!?