「あれ、西森さん。さっきよりも少し顔色が悪くない?」
「えっ!?」
向かいに座る三原くんが、わたしに声をかけてくる。
やば。なるべく顔に出さないようにしていたつもりなのに、焦りが顔に出ちゃってた?!
「ほんとだ。依茉、いつもよりちょっと顔が赤いような……大丈夫?」
三原くんの声を聞いてか、彼の隣に座っている真織まで心配そうな顔でわたしのほうを見てくる。
ああ、みんな……今、わたしに注目しないで……っ。
そう思うと、心臓が更にばっくんばっくん鳴り始める。
「だっ、大丈夫だよ……ちょっと暑いだけだから」
わたしは平静を装い、一堂くんに繋がれていないほうの手でパタパタと自分の顔をあおぐ。
隣の一堂くんをちらっと見ると、いつもと変わらない様子で。
もう、なんで一堂くんはそんなに平気な顔していられるの!?
変にドキドキしてるのって、わたしだけ!?



