自分だけに向けられる真剣な眼差しに、胸のドキドキは止まらない。


 どうしよう。嬉しい……。


「わたしも、一堂くんのことが好き。だから……これからもよろしくお願いします」


 1ヶ月が経ったら、一堂くんとは離れなければならないと心の底でずっと思っていたけれど。


 まさか、一堂くんと本当の恋人になれる日が来るなんて……。


 わたしは嬉しくて、また涙が溢れてしまう。


「依茉、また泣いてる」

「だって、嬉しくて……夢じゃないよね?」


 一堂くんがわたしの腰に手をまわすと、わたしを自分のほうへと抱き寄せる。


「夢じゃないよ。俺たち、これからもずっと一緒だから」


 一堂くんが、力強く抱きしめてくれる。


 そんな彼の背に、わたしもそっと手をまわした。


 ひゅうっと風が吹き、花壇の色とりどりの花が静かに揺れる。


 彼と想いが通じ合ったこのときは、本当に幸せで。


 今日は、わたしの人生で忘れられない日となった。