「一堂、満点だ。今回は、君がこのクラスでトップだった」

「ありがとうございます」


 英語の授業中。昨日の授業での小テストを先生から返却された一堂くんが、笑みを浮かべる。


 一堂くん、小テスト満点だったんだ。凄いな。


 それに比べてわたしは……50点。


 自分の小テストの点数を見て、ガクッと肩を落とす。わたし、英語は苦手なんだよね。


 ここ数日、一堂くんは授業を一度もサボることなく真面目に受けている。


 てっきり3日坊主なのかと思っていたら、今日で4日目に突入し、出席記録を更新し続けている。


「今週は、授業も全くサボらずにちゃんと受けてるし。偉いぞ、一堂。この調子でな」


 英語の先生は、ニコニコ顔。


 授業をただ真面目に受けているだけで、先生に褒められるなんて。


 彼の今までの学校での行いが、どんなに悪かったのだろうと思わされる。


 でも、いくら2回目の高校1年生とはいえ、ここ数日真面目に授業を受けただけでもう小テストで満点を採れるなんて……さすが一堂くん。


 ていうか、頬に絆創膏を貼ってるけど……。


 一堂くん、怪我でもしたのかな?