イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない



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「すごい熱……」


 体温計で一堂くんの熱を測ると、38.3度。


 あのあと一堂くんはふらつきながらも何とか自力で立ち上がってくれたので、わたしが彼を支えながら一緒にベッドまで行った。


「はぁ……っ」


 目の前のベッドで横になっている一堂くんの顔は先ほどよりも赤く、時折咳き込んで苦しそう。


 支えたとき、一堂くんの身体すごく熱かったもんな。


「一堂くん、おでこごめんね?」


 わたしは、一堂くんのおでこにコンビニで買った冷却シートを貼った。


「依茉、ごめ……けほっ」

「いいよ、気にしないで」


 それにしても、物音ひとつしない静かな部屋だな。


 一堂くんの部屋は、生活に必要最低限のものしか置いておらず、がらんとしている。


 一堂くん、こんな広い部屋に一人で……。


 微力ながらも、彼のために何かしてあげたいな。


「ねぇ、一堂くん。何か食べた?」

「食べて、ない……食欲ないから」


 ゼリーとかなら、食べられるかな?


 わたしは買い物袋から、先ほど買ったプリンとゼリーを取り出す。