イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない



「……なんで、依茉がここにいるの?」


 わたしを見た彼は、大きな目を更に大きくしていて。わたしの訪問に、かなり驚いているみたい。


「体調は大丈夫? お見舞いに来たんだ」


 わたしは、買い物袋と学校のプリントを両手で掲げてみせる。


「そうなの? わざわざごめんね」


 一堂くんはニコリと微笑んでくれるも、その顔はいつもよりも赤く、声も掠れている。


「はぁ……っ、しんどい……」


 すると一堂くんの身体がフラフラとよろめき、わたしの目の前でドサッと膝から崩れ落ちるようにして倒れた。


「えっ! ちょっと、一堂くん!?」