放課後。
スポーツドリンクに、風邪薬。冷却シート、ゼリー、プリン。
よし。これだけあれば、大丈夫かな。
学校が終わり、一堂くんの家に向かう前にコンビニに寄ったわたしは、買い物袋の中を確認する。
そして有働くんにメッセージで送ってもらった住所を頼りに、一堂くんのマンションまでやって来た。
……家、ここで合ってるよね?
予想通りの高級タワーマンションを見上げながら、わたしは息を飲んだ。
──ピンポーン……。
ドキドキしながらインターホンを押すが、しばらく待っても応答がない。
一堂くん、寝ちゃってるのかな?
「……はい?」
迷惑も承知の上で、諦めずにインターホンを繰り返し押していると、何度目かでようやく返事があった。
「一堂くん! わたし、依茉だけど。学校の配布物を届けにきたの」
「は? 依茉!?」
そのあと少しして、ガチャリとドアが開く音がし、中から一堂くんが出てきた。



