「西森さん、慧先輩の彼女なんでしょ? 俺、放課後は部活あるし。何より、俺が持って行くよりも西森さんが行ったほうが、慧先輩は絶対に喜ぶと思うから」 そう、なのかな? 「慧先輩の家の住所は、メッセージで送っておいたから。それじゃあ、頼んだよ」 わたしに無理やりプリントを数枚押しつけると、有働くんは友達のところへと行ってしまった。 有働くん、強引すぎる。 でも、一堂くんのことはやっぱり心配だし。 先生からの配布物を届けるという役目もあるし。 放課後、一堂くんのお家に行こう。