俺の着なくなったダウンジャケットとキャップをオーバーサイズで着こなして、ガバガバのサンダルも街全体に聞こえるほど大きな音を鳴らして、隣を歩く少女。



歩きにくそうなのに俺の歩幅に合わせて歩こうとするから、わざと少女の歩くスピードに合わせなかった。




パタパタと小走りで俺についてくるのが、ゆるキャラみたいで可愛くて。





「やりたいことないの?」




そう聞いても、



「おじさんに世の中の当たり前を教えて欲しい」



なんて言ってくるから。