こちらに気づく様子はなく、時々貧乏ゆすりをしていて横顔は険しく見える。 一緒に居た時は、穏やかで優しいおじさんだったのに、人が変わってしまったみたいに悪人にも見えてしまう。 あれがおじさんの本心なんだろうか。 そうは信じたくないけど、それはおじさんにしか分からないから。 おじさんの取り調べは難しい言葉の並びばかりで、賢くない私には聞き取れないことも多い。 そんな中、理解できる言葉が聞こえてきた。 「何で優衣ってつけたん?」 「…衣(きぬ)みたいに柔らかくて優しい子だったから」